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2025.09.10

親知らずの歯磨き方法と口臭予防:歯科医師が教える効果的なケア

「歯ブラシが届かなくて、いつも磨き残しがある気がする…」

「最近、口臭が気になるのは親知らずのせい?」

親知らずは、お口のトラブルの温床になりやすい歯です。

特に、歯磨きがしにくいため、むし歯や歯周病、そして口臭の原因となることが少なくありません。

今回は、歯科医師の視点から、親知らずの歯磨き方法と、それに伴う口臭を予防するための効果的なケアについて詳しく解説します。正しい磨き方をマスターして、お口の健康を守りましょう。

なぜ親知らずは磨きにくいのか?

親知らずが磨き残されやすいのには、いくつかの理由があります。

一番奥にある

親知らずは一番奥にあるため、歯ブラシのヘッドが届きにくく、毛先がうまく当たらないことが多いです。鏡で見ても磨き残しに気づきにくい場所でもあります。

斜めに生えている

親知らずは、真っ直ぐではなく、斜めや横向きに生えることがよくあります。

この場合、隣の歯との間に深い隙間ができやすく、そこに食べ物のカスや歯垢(プラーク)が溜まり、細菌が繁殖しやすい環境になります。

一部だけ生えている

完全に生えきらずに歯茎の一部に埋まった状態の親知らずは、歯と歯茎の間に袋状の隙間(歯周ポケット)ができます。

このポケットは細菌が繁殖するのに最適な場所となり、炎症を引き起こしやすくなります。

これらの理由から、親知らずの周りには、プラークや食べかすが溜まりやすく、これがむし歯や歯周病、口臭の主な原因となるのです。

親知らずの歯磨きが口臭の原因に?

口臭の主な原因は、お口の中に繁殖した細菌です。

特に、歯周病菌は口臭の原因となる揮発性硫黄化合物(VSC)というガスを発生させます。

親知らずの周りは、歯周病菌が繁殖しやすい環境のため、歯周病の進行とともに口臭が悪化する可能性が高いです。

また、炎症を起こして膿(うみ)が出ている場合は、さらに強い悪臭を放つことがあります。

そのため、親知らずの周りを丁寧に磨き、細菌の数を減らすことが口臭予防に直結します。

歯科医師が教える!親知らずの効果的な歯磨き方法

通常の歯ブラシだけでは、親知らずをきれいに磨くのは難しいです。

親知らずの周りを徹底的にケアするために、以下のアイテムを組み合わせて磨きましょう。

ステップ1:通常の歯ブラシで全体を磨く

まず、通常の歯ブラシで全体を磨きます。このとき、親知らずの部分は意識して、歯ブラシのヘッドを斜めに入れ、奥まで届かせるようにしましょう。フッ素入りの歯磨き粉を使うのも効果的です。

フッ素は歯の再石灰化を促進し、むし歯予防に効果的です。

ステップ2:タフトブラシ(ワンタフトブラシ)を活用する

タフトブラシは、毛先が鉛筆のように細く尖った小型の歯ブラシです。

これは、親知らずのような「ピンポイント」を磨くのに非常に効果的です。

使い方

親知らずと歯茎の境目に、毛先を45度の角度で当てます。小刻みに動かし、歯周ポケットの汚れをかき出します。親知らずの奥の面や、隣の歯との隙間にも毛先を当て、丁寧に汚れを落とします。

ステップ3:歯間ブラシやデンタルフロスで隣の歯との間をケア

親知らずが隣の歯に接している場合、その間の隙間に食べかすが詰まりやすくなります。

■使い方

歯間ブラシ:隙間のサイズに合ったものを選び、歯と歯の間に差し込んで前後に動かし、汚れをかき出します。

デンタルフロス:歯間ブラシが入らない狭い隙間にはフロスを使います。親知らずと隣の歯の間にフロスを通し、歯の面に沿わせながら汚れを落とします。

ステップ4:洗口液を併用する

歯磨きが終わったら、洗口液で仕上げをしましょう。口液は、歯ブラシが届きにくい部分の細菌を洗い流し、口臭予防にも役立ちます。

歯磨きなどのセルフケアだけでは解決できない問題

どんなに丁寧に歯磨きをしても、セルフケアで出来る範囲には限界があります。

親知らずがある方は定期的に、歯科医院で定期検診を受けることが大事です。

歯科医院でのクリーニング

セルフケアでは取りきれない歯石や、歯周ポケットの奥の汚れは、歯科医院でのプロフェッショナルクリーニング(PMTC)でしか落とせません。

定期的にクリーニングを受けることで、親知らずの周りの炎症を抑え、むし歯や歯周病、口臭を予防できます。

抜歯という選択肢

歯周病やむし歯を繰り返し、歯磨きが非常に困難な場合は、抜歯が根本的な解決策となることがあります。

特に、斜めや横向きに生えていて隣の歯に悪影響を与えている場合や、歯茎に埋まっていて炎症を繰り返す場合は、抜歯を検討した方が良いでしょう。

親知らずの抜歯は、歯磨きのストレスから解放されるだけでなく、むし歯や歯周病リスクを大幅に減らし、口臭も改善されるという大きなメリットがあります。

まとめ:親知らずのケアは「予防」が大切

親知らずは、その生え方から「トラブルを起こしやすい歯」と認識しておくことが大切です。

特に、歯磨きを怠ると、むし歯や歯周病、そして不快な口臭へとつながります。

「痛みがないから大丈夫」と放置せず、日頃からタフトブラシやデンタルフロスを使って丁寧にケアしましょう。

そして、定期的に歯科医院でプロのクリーニングを受けることで、セルフケアだけでは届かない部分の汚れを徹底的に除去し、お口の健康を維持することができます。

それでもなお、トラブルが続く場合は、歯科医師と相談し、抜歯という根本的な治療も視野に入れることをおすすめします。

親知らずの正しいケアを習慣にして、清潔で健康なお口を目指しましょう。

鶴見区で親知らずの得意な歯医者をお探しなら是非当院へ

当院では、患者様の歯の状態をしっかりとチェックし最適な治療法を実施いたします。

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